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 日本代表5-0トーゴ
 得点:岡崎慎司(前半5分)、岡崎慎司(前半8分)、森本貴幸(前半11分)、岡崎慎司(後半20分)、本田圭佑(後半40分)


■相手が酷すぎた

 圧勝したというのに、あんな相手ならしない方がいいのである、と言わなければならない。
それこそ流通経済大学かベガルタ仙台のサテライトでも連れてきた方がはるかにマシだったであろう。少なくとも「強化」になったかどうかははなはだ疑問である。
 大体このトーゴ戦、本来は九州石油ドームで行われるはずだったのだが、あそこの芝が本当にとんでもないことになっているせいで(おかげで?)、日本代表にとってろくな思い出のない僻地・宮城スタジアムで行われることになったのである。圧勝したとはいえ、やはりこのスタジアムの日本代表にろくな試合はないのかもしれない。

 とはいえ、日本代表の攻撃は序盤から見事なものであった。相手のプレスの緩さもあって、ボールも回るし人も明らかにトーゴより走っている。そしてサイドから低くて速いクロス、という岡田監督の目指している形はあっという間に実を結んだ。5分、8分とまさに練習通りのような形で岡崎が得点を重ねる。そして11分には森本が代表初ゴール。これも森本のキープ力、反転して振り抜く力で取った得点とはいえ、長友から低くて速いクロスが入ってきたところからの得点であり、日本代表の前半の3点は全て同じ形の得点だと言っても良い。
 それにしても、全く同じ形であるのにまるで対応できていないトーゴは酷かった。このあたりで5-0くらいで勝たなければダメだなと思ったほどである。

しかしこのあと、日本の攻撃は停滞してしまう。トーゴのあまりの酷さにつられてしまったのか、日本代表もつまらないミスが増えていく。パスミス、トラップミス・・・そのような空気を変えようと、闘莉王が攻撃参加したりするのだが(こういうとき彼のような選手がいて良かったと思う)悪い流れを断ち切ることは出来なかった。しかし、この日本の悪い流れに乗じて攻撃を仕掛けることすらできないのがこの日のトーゴであり(通常であれば絶対にそんなことはないはずだ)、それが前半の後ろ20分を非常につまらないものにさせた。



■強引に試合を動かしていく本田
  
 この悪い流れを断ち切るためには、フレッシュな選手、そして試合出場に飢えている、出場機会の少ない選手を入れるべきだと考えながら前半の終わりの方を見ていたのだが、日本は後半開始から3人を入れ替えた。といっても、出場機会のまだ少ない寿人や石川、岩下らを入れたわけではなく、本田と内田、大久保を投入してきた。
 
 本田については以前から感じていることだが、彼は彼のポテンシャルとモチベーションの高さと、個としての限界を示し続ける試合が続いている。足下にボールを持って、自分がマッチアップした相手より良ければいいプレーをするし、悪ければ簡単にボールを取られてしまう。俊輔なり、遠藤なりは自分のマッチアップしている選手に対して必ずしも力関係が上でなくても、悪いなりのプレーということが出来る。簡単にはたく、自分がおとりになって別の選手を活かす。自分がポジショニングを変えることによってスペースを作る。そういったプレーが出来る。本田は今のところそういうプレーはほとんど見せない。彼の元で自分は活きても他は活きない。経験によるものなのかもしれないが。

 しかし彼はそれを補えるだけのリスキーなプレーを選択することが出来る。前に2人いても、強引に突っ込んでいける選手だ。W杯本番、日本よりも対等以上の力を持つチームが多い中で、彼のような「不利な状況を強引に打開できる選手」というのは絶対に必要な存在にはなる。

 この日の日本代表の悪い流れを、強引に打開しようとしていたのも本田だった。シュートを打つ打つ。しかし精度を欠いている。ただ、精度は欠いたかもしれないが、シュートで終わって、ゴールを決めるんだ、攻撃するんだ、というベンチの意図を最も表していたのも本田なのであった。そうこうしているうちに岡崎が見事なヘディングでハットトリックを決める。後半27分には俊輔が「今までニア、ニアと来ていたからファーサイドを狙ってみた」(そういうのが本田には足りないのだよ!)という経験を感じさせる見事なクロスをあげ、そこにいた本田がフリーでヘディングシュート。しかしこれもまたポストに阻まれる・・・。とはいえ、前半の終わり頃に見られた停滞感はもうなかった。主体的な攻撃が出来るようになったのは、本田をはじめとする交代選手のおかげである。



■選手層は厚くなった

 この押せども押せども点が取れない状況を克服したのは、またしても交代選手であった。今野と石川。憲剛と代わって入った今野は、本職のボランチ(といってもFC東京ではもうずっとセンターバックだが)で、得意のボール狩りを見せて、セカンドボールを拾っていく。代表に一応呼ばれ続けているとはいえ、なかなか出番がない今野すら、しっかりとチェイス、プレス、そしてそこからの展開というチームコンセプトを全うする動きが出来ているのは非常に良いことだと思う。

 そして後半37分に交代した石川は、いきなり持ち味を発揮する。左サイドでボールを受け、縦にドリブル。そして中に正確なクロス。中に詰めていた大久保と佐藤寿人、そしてそのこぼれ球を、ようやく、本田が押し込んで5点目。今年、石川があまりに調子がよいので、コンサ以外の試合としては珍しく4試合も現地観戦しているのだが、どの試合でも言えることは、ドリブルからのシュート、クロスが非常にタイミングが良く、精度が高いこと。そして、その状況判断力が非常に優れていることだ。縦が空いていれば縦に突破してクロスをあげることが出来るし、その縦を警戒すると今度は中に入ってきて良いシュートを打つ。相手の裏を取る、という形が常に出来ているので、守る方としては非常に守りにくいと思うし、実際に効果的な攻撃につながる。試合後の会見で岡田監督は「あそこで勝負してクロスを上げる。これはなかなか、ほかにできる選手がいない。」と言っているが、これで石川は相手を打開できないときのジョーカーとしての地位を得たのではないかと思う。無論、松井との競争はあるのだが。

 石川に限らず、森本、本田、佐藤寿人など新しい選手は当初の岡田監督のもくろみ通り、とある局面で使える選手たちとしての働きを見せてくれた。惜しむらくは、守備面で岩下が呼ばれたにもかかわらず、そのような一芸を発揮する機会すら与えられなかったことである。しかし、日本代表の選手層自体は間違いなく厚くなっていると感じることの出来た後半だった。



■歯ごたえのない相手とやって得たもの

 歯ごたえのない相手ばかりだったとはいえ、この10月の3試合で6点、2点、5点の併せて13点を取り、失点は一つもなかったことは日本代表の「練習試合」としてはすばらしいものがあったと言える。どんな相手であれ、5点以上を取って勝ち、かつ相手を無失点に押さえることはモチベーション的にも難しいものがある。そのあたりの気のゆるみをあまり見せずに、目指すチームの攻撃の形を確認できたことは非常に良かった。では、課題は?相手にシュートを全く打たせない試合が続いた。このような相手では理想的な攻撃パターンのシミュレートは出来ても、攻守の切り替え、相手に押されている場合の守備や攻撃といった場合のことは考えることが出来ない。

W杯本番では相手も強い。オランダ遠征でわかったように、こちらが押していても、それを90分続けることは実力的な意味で不可能だし、相手はそのワンチャンスを決めてくることの出来る個の力を持っているのが常である。あと8ヶ月後に迫ったW杯に向けて、選手のそろった日本代表がすべきことは、強い相手の攻撃をいかに防いで、その中で得点を取って勝っていくという力を見せられるかである。そのためにはアウェイに打って出て、強豪・中堅国と戦っていく必要はもっとあると思う。
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