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小学生からサッカーを愛して今に至る。
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 FC東京2-0川崎フロンターレ
 得点:米本拓司(前半22分)、平山相太(後半14分)

■好試合だった

 毎年思うことだが、ナビスコカップの決勝にハズレの試合はない。
タイトルマッチ、満員の聖地国立、リーグ戦も佳境と言う開催時期、気象条件(なぜか晴れが多い)、さまざまな条件が重なり合ってこそだと思うが、今年もすばらしい試合を見ることが出来た。17回目の多摩川クラシコ、熱戦を制したのはFC東京。

 東京は日本代表の長友がまだ怪我から復帰してまもなく、本調子ではないということでベンチスタート。さらに、今年大活躍をした日本代表石川直宏も、前十字靭帯の損傷(でも思っていたより軽傷で本当に良かった)で、試合に出ることが出来ない。

 このような状況もあったからなのか、序盤のペースを握ったのは川崎フロンターレだった。
中村憲剛からジュニーニョ、レナチーニョ、チョンテセという強力3トップ、そして飛び出す谷口、両サイドへのパスがガンガン通る。FC東京は平山が1本惜しいシュートを放ったくらいで、攻撃がなかなか形作れない。
 そんな中で、とうとう川崎に決定的なチャンスが生まれる。前半19分、中村憲剛から飛び出した谷口への縦パス、そして谷口が折り返し、ジュニーニョが決定的なシュート!しかしこれを上へ外してしまう。そして、この決定的なチャンスを逸したあと、先制点は急にFC東京が奪ってしまう。思いがけない形で。

■最初から軸は平山

 今シーズン、FC東京のストライカーは石川であったり、カボレであったりし続けたわけだが、攻撃の軸は、平山のポストプレーにあるのではないかと感じている。今シーズン、明らかにこれまでより運動量が多く、かつ天性の高さと足元のキープ力を活かし、平山は前線でボールを収めつづけてきた。彼が後ろから来たボールをしっかりとキープし、そこに羽生、石川、カボレ、鈴木達也などというスピードあふれる選手たちが飛び出してくる、あるいは、梶山という前を向いてボールをしっかりキープでき、パスもシュートも選択できる司令塔からじっくりと攻撃を組み立てる。そういった攻撃がFC東京のリズムを作ってきたと5,6試合見た中では感じている。

 前半24分の得点シーンで、平山はこの試合初めてと言ってもいいほど「ゆったりと」ボールを持つことが出来た。それまで平山、赤嶺がボールを持ったら激しく寄せてきた川崎守備陣がなぜか、そのときは後ろに引いてしまった。平山とその周りだけ、ほんとうにポッカリとスペースが空いてしまったのだ。そして、落ち着いて米本にボールが戻されると、まだ18歳になっていない高卒ルーキーはすばらしい弾丸ミドルを放ち、川島の手をはじいて、ネットが揺れた。

■自分たちを見失った川崎、集中していた東京

 まさに予想外で、起死回生とも言うべき得点だった。それまで、FC東京は完全に押されていた。ジュニーニョが決定機を外しても、まだ流れは川崎にあるはずだった。それだけ川崎のサッカーは機能していた。だが、このゴールを境に川崎は自分たちで崩れてしまった。攻撃は出来る、ボールも保持できている、しかしチャンスになっているか、相手にとって怖い攻撃になっているかといえば、そうでもない。ここまで勝ち進んできた選手たちが集中して守れば、きちんと守ることが出来るだろう攻撃に終始してしまった。試合後の関塚監督も次のように述べている。
 
「先制点を奪われた後の落ち着きというか、自分たちのしっかりとしたサッカーをいかに90分できるかというところで、我々の悪さというか弱点が出てしまった。もっとシンプルにサイドからボールを動かしていけばいいところを、強引な形が多くなってしまい、最後のところで切り崩せなかった。その辺をもっとチームとして立て直さないといけない。」
http://www.jsgoal.jp/news/jsgoal/00092026.html
 
 ジュニーニョがドリブルでしかける、憲剛の縦パスにチョンテセが、谷口が飛び出す。どれも怖い攻撃といえば怖い攻撃だが、単発で終わってしまっていた。点を取るんだ、という気持ちが強すぎたのか、前に前に、ただ突進するような攻撃で、川崎には柔軟性がなかった。

 一方で、FC東京は集中していた。FW2人はしっかりと走ってコースを切り、MFとDFの8人はブロックを作って相手を跳ね返し、そしてGK権田がすばらしい活躍を見せていた。相手が自分たちのサッカーを出来ないとはいえ、圧倒的な攻勢でしかけてきたときに、セットプレー、あるいはミドルシュートをギリギリのところで防いだのは権田だった。そして、奪った後にカウンターを狙う姿勢、セカンドボールを拾う、そういったハードワークの部分でFC東京は川崎を凌駕していた。

 自分たちでボールを動かして攻撃するFC東京にとって、このような「我慢のサッカー」的な試合展開と言うのは、決して理想的なものではないかもしれない。しかし石川や長友、カボレと言った攻撃面で重要な選手をさまざまな事情で欠いた東京がしっかりと勝つためにはふさわしいサッカーであり、全員の気持ちが統一されていた。川崎と違って、やることが明確になっていたのだ。

■2点目で勝負あった

 前半を終え、ハーフタイムを過ぎても、まったく流れは変わらなかった。攻撃する川崎、守るFC東京。しかし川崎の攻撃は相変わらずの単発で、怖くない攻撃が続く。そして、この試合を象徴するような形で試合を決定付ける2点目が決まった。

 相手のセットプレーを抑えてすぐにカウンター。鈴木達也と平山の2人が前がかりになった川崎のDFラインを突く。鈴木達也が速いドリブルで持ち込んで、平山へクロスを上げると平山はへディングシュートを川崎ゴールに流し込む。2-0。

 これで8割方勝負は決まった。あとはFC東京がいかに、前線から少しずつ相手のスペースを消し、そしてカウンターをしかけながら、これまで継続してきた集中した守備を続けられるかがポイントとなった。東京・城福監督は2点目を取ってすぐに赤嶺に替えて故障明けの長友を投入。彼の突破力で川崎にカウンターと言う武器をちらつかせながら、守備力を上げ、そして平松、佐原の投入で試合をクローズさせようとした。
 一方の関塚監督は、やや交代が遅れたかもしれない。最初のカードを切ったのは後半25分。3バックにするとか、いろいろな選択肢があったとは思うが、チームとしての形を崩さずに戦った。そうなると、このような試合で相手の集中した守備を崩せるのは中村憲剛、ジュニーニョといった「違いを作れる選手」なのだが、中村憲剛の決定的なシュートは大当たりの権田に阻まれ、ジュニーニョはドリブルで2人3人を抜いてクロスを上げたり、シュートを打ったりするものの、やはり強引に行き過ぎていることもあって東京の守りを崩すまでには至らなかった。

 そして試合終了。FC東京が5年ぶり2度目のナビスコカップ制覇を成し遂げた。

■川崎がタイトルを取るために乗り越えねばならない大きなステップ

 シュート数10対17、コーナーキック数4対12、フリーキック数12対21、ゴールキック数14対6。(全てFC東京対川崎Fの順)これらの数字を見ても、いかに川崎が攻勢な試合だったかと言うのはよく
わかるだろう。それでも勝てなかった。この試合に限って言えば、何よりもジュニーニョが決定的な場面を外したのも大きかったし、東京のGK権田はかなり当たっていた。しかし、川崎がここ一番で毎回タイトルを取れていないのは、やはり落ち着き、自信が足りないのだろうと思う。
 
 試合の中で、不運とも言える失点を喫することはある。しかし、90分中残り5分の時点で得点されたのならともかく、まだ前半の半ばともいえる時間帯で失点しても、「自分たちの方が強いのだから、残り時間で追いつけばよいし、普通にやれば追いつけるはずだ」というような攻撃が出来るチームが本当に強い。強いときの鹿島、ガンバ、浦和など、過去にチャンピオンに輝いたチームはそのような試合をして、きっちりと勝っていく。
 
 川崎は未だに3大タイトルを取れていないこともあるのか、そういう試合運びはあまり出来ていないように思える。自分たちの流れでグワッと持っていけるときは強いが、それは相撲で言えば出る出る出島で押し出しが強い、というような型を持っているに過ぎない。もう一段上に行く、タイトルを取るには、横綱相撲がとれるような、じっくりじわじわと攻撃するという落ち着きと、それを生み出す自信が何よりも必要なのだと思う。
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